果物や野菜を味わうとき、私たちはその中に秘められた微小な「ナノバブル」が、実は未来を変えようとしている――そんなことを考えたことはありますか?
果物、野菜、そして薬用植物から得られる植物由来EVs(Plant-Derived Extracellular Vesicles, EVs) は、安全性の高さ、低刺激性、そして優れた活性機能を兼ね備えており、近年、美容科学分野で注目を集める新星として期待されている。
植物EVsは、植物細胞が自然に分泌するナノサイズの小胞(約30〜200nm)。肌への有効成分は脂質膜に包まれており、吸収に役立つ。主な成分は以下である:
- 天然抗酸化物質(ポリフェノール、フラボノイドなど)
- 小分子活性物質(植物酸、二次代謝物など)
- 核酸情報分子(miRNA)
- 安定性の向上:成分の酸化や分解を抑制。
- 深部浸透:有効成分の吸収を促進。
- 低刺激性フォーミュラ:天然由来で肌への負担が少ない。
1. エイジングケア × 弾力とツヤの維持
- 桜・ローズEVs:活性成分が肌の修復をサポートし、弾力やツヤを保つ。
- グレープフルーツEVs:抗酸化脂質やmiRNAを豊富に含み、フリーラジカルを中和し、若々しい肌を維持する。
- ジンジャーEVs:環境ストレス下でもコラーゲンを保ち、肌のハリをサポートする。
- 米ぬか・ニンニクEVs:穏やかな特性で、肌の不快感を和らげる。
- ストロベリー・ブドウEVs:肌の保湿力とバリア機能を高め、環境要因による敏感を抑える。
- ブロッコリー・アロエEVs:肌を落ち着かせ、不快感を軽減する。
- 桜EVs:ポリフェノールやフラボノイドを豊富に含み、フリーラジカルによるダメージを軽減し、肌の防御力を向上させる。
- ブルーベリー・ストロベリーEVs:天然抗酸化物質を豊富に含み、肌のくすみ改善、ツヤと弾力の向上に貢献する。
- 緑茶・ターメリック・ブロッコリーEVs:ポリフェノールやフラボノイドを含み、環境ストレスから肌を守る。
- ローズEVs:線維芽細胞や角質細胞の活性をサポートし、肌の修復を助ける。
- 米ぬか・大麦・そばEVs:肌の良好な状態を維持し、修復プロセスを促進する。
- セロリ・ニンジンEVs:ビタミンや植物性活性物質を豊富に含み、角質ケアをサポートし、肌を滑らかに保つ。
- 桜・ブロッコリーEVs:角質層の水分量を高め、肌バリアの健全性を維持し、乾燥やざらつきを緩和する。
- ストロベリー・アロエ・キュウリEVs:肌の保湿機能をサポートし、角質層の水分を保持する。
- 米ぬか・レタスEVs:肌質を整え、柔らかく潤いのある肌を維持する。
植物由来EVsは「天然 × 科学 × 安全」を特徴とし、アンチエイジング、鎮静、抗酸化、修復、保湿といった多面的なスキンケア効果を示している。研究室から臨床、さらには日常的な応用へと歩みを進め、まさに新しい「天然ナノエネルギー」として注目されている。今後は高機能スキンケア製品の重要なコア成分となり、肌により一層の活力、若々しさ、そして輝きをもたらす。
資料出典:
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